ことるなの息抜き

お仕事や趣味でなどで言えるところまで言ってしまおうという息抜き部屋です。

アニメ制作の仕上げって?

こんにちは、ことるなです。

皆さん、アニメ制作工程と聞いてまず何を思い浮かべますか?

アニメ監督や演出さんが絵コンテを書いてそれを元に原画マンが作画して色を塗って撮影して声を入れて終わり!という感じでしょうか。

私、実は専門学校に入るまで制作会社とかまったく気にしたこと無かったのですよ…。

制作のワークフローなんかも授業でやって初めて知りましたw

ここ最近はアニメや声優だけではなく、製作工程もテレビで取り上げられるほどになってきましたよね。

よく大変そうとかヤバそうとか…まったくその通りです!

 

さてさて!タイトル通り仕上げって?という話になりますが、まず最初はワークフローを見てみましょう。

こちらです↓

絵コンテ    
   
レイアウト
   
原画
   
動画
   
色指定 色彩設計
     
仕上げ
スキャン
トレース
ペイント
   
仕上げ検査・特殊効果
   
撮影

 

手作りワークフロー…細かいことは気にしないでくださいね!

緑枠が仕上げのお仕事になります。

 

 

色彩設計

絵コンテの前にキャラクターデザインの方がキャラクターや小物などを決め、その絵に色を決めるのが色彩設計です。

背景が夕方なら夕方らしいオレンジよりの色に。

夜なら色を暗めに。夜は夜でも建物の中や外、月の光があるかないかでまた色も違うことがありますがそれをすべて決めるのが色彩設計の仕事です。

 

 

 

色指定

色指定は色彩設計の補佐的な役目になります。

どのカットにどの色を使うのかをペイント作業を行う人たちに指示をします。

色指定の人は原画や動画の内容を確認し、各話数で作成される色指定表を見ながら指定を行います。

また、その話数にだけ出てくる小物やモブなどの色彩設計も行います。

色彩設計が全話数の指定をするのは難しいので各話数に色指定がいます。

 

 

 

仕上げ(デジタルペイント)

原画や動画で描かれた線画にペイントをして撮影に繋げる作業が仕上げです。

昔はセルアニメで塗料を一枚一枚塗っていく作業でしたが今はすべてデジタル化されています。

使われているソフトは主にCELSYSの「TraceMan」と「PaintMan」です。

 

仕上げ作業は先程のワークフローにもあるように3つあります。

一つ目は「スキャン」

紙に描かれた線画をスキャナーでスキャンをします。

スキャン設定というものがあってそのサイズによって解像度なども変わりますし、レイアウトのサイズが大きいと細かくスキャンをしてPhotoshopなどでつなぎ合わせないとなので結構大変です。

 

二つ目は「トレース」

スキャンした素材のゴミや陰などを取って線の部分だけを残す作業です。

「TraceMan」というソフトで2値化をします。2値化は画像の色を白と黒にする機能でその他にもハイライトや陰などに使われる赤、青、緑の色も抽出します。

トレースまでがスキャンの仕事だと思ってください。

 

3つ目は「ペイント」

トレースされた絵に色を塗っていく作業です。

色指定の指示に従いカラーモデルを使ってペイントしていきます。

ここで使われるソフトが「PaintMan」です。

このソフトは仕上げ作業をする際に便利な機能がたくさんあります。

私も普段の仕事でお世話になっていますが、専門学校で教わったこの以外でも仕事の先輩方にこれを使うと便利だよ、とか私自身が色々探して見つけた昨日もあったりします。

 

 

 

仕上げ検査・特殊効果

ペイント作業が終わったら仕上げ検査をします。

仕上げ検査の人がいたり、グロス請けだと色指定と検査を両方行う人もいます。

検査の人はまず色を間違えていないかの確認、動きの確認をしていきます。

あとは色指定にも無かった小物など、ペイント作業時に仮色で上がってきたものの色決めなどを行います。

ペイント作業時にも塗り終わったらちゃんと色パカや動きのパカを確認しますが、それを最終的に見る役目なので結構重要ですね。

パカというのは絵を動かして見て間違えた色がパカパカと点滅して見えるのが色パカ、ひとつ前と後には描かれているのにこの一枚だけ服のパーツが無い!っというがパカっと呼んでいます。

これはテレビ放送を見ていると「あッ…」ってなります。

 

特殊効果は絵に質感を加える作業、私たちは特効と呼んでいます。

特殊効果は仕上げでやるものと撮影でやるものがあります。

仕上げでやる特殊効果は主に金属の質感や頬のグラデーションです。

セル画の名残でブラシを吹くという言い方もします。

 

 

こんな感じで仕上げ作業について軽くですが説明しました。

私自身、まだ仕上げを始めて数年しか経っていませんが多くのテレビアニメ、劇場アニメに携わってきました。

このブログではアニメの仕上げについて作業や、「PaintMan」の機能についての記事を多く書きたいと思っています。

その他にもアニメの感想や趣味についても書きたいと思うのでぜひ見に来てください!

 

それではまた!